生活習慣病予防の強い味方オクラOKRA
- 夏素材
- 旬:春7~9月
- 科名:アオイ科
- 原産地:アフリカ
オクラの原産はナイル川流域からエチオピアにかけての東北アフリカといわれ、高さは1~2メートルにもなり、若い莢を食べます。日本で一般的に食べられるようになったのは昭和30年代からで、β-カロテンやビタミンB群が豊富です。粘り成分には、胃腸の調子をととのえる働きがあるといわれています。
粘り成分・ペクチン
オクラのネバネバのもとは、水溶性食物繊維のペクチンという成分です。ペクチンには血糖値の上昇を抑えたり、便通を促す作用が… ただし、水溶性なので水に長くつけたり、ゆですぎると、これらの効果が望めなくなるので注意が必要です。
夏バテ予防に
夏バテ予防に役立つビタミンB群・C、免疫力アップの効果が期待できるβ-カロテン、骨を丈夫にするカルシウム、葉酸なども豊富に含まれています。
形状で種類をわける
オクラの種類は形状によって区別され「五角種」「丸さや種」「多角種」などがあります。一般に多く出回っているのは五角種。また、表面の色が紫色のものや、全長3cmほどのミニオクラなどもあります。冬から春に出回るものは輸入品が多いようです。
オクラ五角種
根の長さが15~20cmと、名前のように5寸に近い大きさ。下に向かってやや細くなっている。一般的に市販されているオクラはこの品種が主流。
赤オクラ
味が濃いめで比較的やわらかく、生食できるのでサラダなどに向きます。加熱すると緑色に変化してしまう。
丸オクラ
沖縄で多く栽培されている「島オクラ」や八丈島で栽培されている「八丈オクラ」が知られています。一般のオクラにくらべ、大きく育っても果肉はやわらかい。
白オクラ
白みがかった淡い緑色のオクラで、生のままでも食べられます。主に山口県で栽培されている。
ミニオクラ
長さ2~3cmの小さなうちに早採りしたものです。やわらかく生のまま食べられる。
ゆで時間はどれぐらい?
お浸しを作る際、どれぐらいゆがけばいいのか…30秒、1分、2分、3分とゆで時間を変えた4種類のオクラを用意し、街頭で食べ比べ調査をしたテレビ番組があります。結果は、2分ゆでたものが圧倒的に高い評価を得ていました。
「粘度」と「固さ(歯ごたえ)」を調べると、2分ゆでたものがネバネバが多く、固さもしっかりあり、バランスがよいことがわかったそうです。ゆで時間によるビタミンCの損失もほとんど減っていなかったということです。
素材の選び方
へたやがくの周囲に黒い斑点などが出ているものは鮮度が落ちているので注意。
濃い緑色で、うぶ毛がびっしり生えているものを選びます。また、大きすぎるものは熟しすぎていることが多く果肉、種ともにかたく、味が落ちるので注意。
素材の小ネタ1
オクラは、日本へは江戸時代末期に一度伝わりましたが、その時は全然普及しませんでした。明治時代初期にオクラが再度アメリカから日本に伝わり、そこから日本でオクラを本格的に栽培し始めたそうです。日本で一般にオクラを食べ始めたのが、1970年代に入ってからで、それまでは、観賞用として扱われていたようです。
素材の小ネタ2
オクラの和名はご存じでしょうか?オクラは和名で「陸蓮根(おかれんこん)」と呼ばれていますが、クイズ番組で読めない野菜で出題されるほど一般的ではない和名となっています。
オクラの花
黄色い花が咲き終わると実になりオクラが育ちはじめます。